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FEATUREひと手間と、その先。

GARDEN

#86

ホーローと、季節のお花。Chels Greenさんが作る寄せ植えたち

まるで自然の一風景を切り取ったかのように、ゆたかな表情を見せてくれる「寄せ植え」。複数の草花を一緒に植えて楽しむ寄せ植えですが、どうやって植えればいいの?どんな種類を選べばいいの?と疑問に思うこともたくさん。今回はChels Greenさんにお話を伺って、上手な寄せ植えの方法を教えていただきました。

2021.07.13 by AXCIS ONLINE

  1. axcis nalf正面玄関

    軒先から店内まで。緑あふれるChels Greenさん

    Chels Green(チェルズグリーン)さんは、岡山市にあるアクシスの直営店axcis nalfにてお店を構えるグリーンショップです。正面玄関の前では花苗や樹木、多肉植物などさまざまな植物がのびのびと息をしていて、立ち寄ると必ず何かひとつ連れて帰りたくなる魅力に溢れています。

    フレッシュなイエローを中心に組まれた、大きめサイズの寄せ植え

    「ステイホームの時期に、何か楽しいことを届けられたらと思って」

    もともと様々なグリーンとともに並べられていた寄せ植えですが、本格的に提案するようになったのは新型肺炎の流行が始まった2020年頃からでした。

    「もともと多様な植物が共生する環境が好きで、お店にも寄せ植えの鉢を並べたりお客様にも提案をしていたんです。去年の春ごろ、新型肺炎が流行り出して世の中どうなるのかなって自分も不安だった時期にカメラマンの吾郷さんがスタッフとして来てくれるようになって。そうだ、いろいろな寄せ植えを綺麗に撮影して、SNSに投稿してみようかなと思ったのがきっかけでしたね」

    店長の亀井さん、スタッフの吾郷さん

    SNSを見て、お店に来て、直接選ぶ。

    そうやって始まった寄せ植えの写真投稿は、あっという間に好評となってお店でも寄せ植えの相談がぐっと増えたのだとか。

    「ふだんはInstagram(@chels_green8 )でいろいろな寄せ植えのアイデアや入荷情報を発信しているのですが、それを見てお店に来られる方がすごく増えましたね。実際にお花やグリーンを手に取りながらコレとコレは合うかな?と考えられる方が多いのですが、やはり組み合わせに迷ったり、どんな風に植えたらいいのか分からない、というご相談も多いです」

    寄せ植えにする植物の選び方、植え方など、初心者でも簡単にチャレンジできる方法は無いのでしょうか?

    しゃきっと伸びた渋い色合いのカレックス。鉢植えにする場合はたっぷり水やりが必要になります

    「基本的には、水やりの好みが似た植物同士を合わせます」

    「寄せ植えにするときの植物の選び方ですが、基本的には生育環境が似たもの同士を合わせてあげるのがセオリーです。同じ鉢に植えるので、水やりのタイミングも一緒になるでしょう?そこで水が好きな植物と水が嫌いな植物を一緒に植えてしまうと、どちらかが悪くなってしまう。たとえば多肉植物なんかは水があまり得意じゃないので、多肉は多肉だけで集めてあげるのがいいですね」

    店長の亀井さんにお店を案内してもらいながら、ひとつひとつの植物を紹介してもらいます。ちいさなポットが並ぶコーナーは、寄せ植えにぴったりな植物が揃っていました。

    「あとは、色味が同じものを揃えてあげること」

    それぞれの植物の生育環境については、お店で実際に植物を見ながらスタッフに尋ねるのがいちばん、という亀井さん。他にも選び方にポイントはありますか?

    「個人的な好みですが、同じ色味の植物を集めてあげるのがおすすめですね。淡く可愛らしい色、渋くて落ち着いた色、パウダリーでドライな質感の色…。色のトーンが揃っていれば、寄せ植えにした時もまとまって見えます。あとは主役となるお花の割合が3としたら、脇役にするリーフ系を7ぐらいで組み合わせてあげるのも好きなバランスです」

    一年草と、多年草。

    草花には、一年草や二年草、多年草、宿根草といった種類があります。一年草とは、種を蒔いて成長し枯れるまでの成長サイクルが一年で終わるものを指し、寄せ植えでもこの一年草が多く使われます。

    多年草、宿根草といった草花は花が枯れても根は生き続け、また来年の同じシーズンに成長し花を咲かせる草花です。寿命が長いので毎年その姿を楽しめますが、枯れている期間はその鉢やお庭のスペースが寂しくなるという特長もあります。

    玄関周りなどの人目を引く場所には一年草を選び、その季節ならではの華やかに咲く姿を見せるというのが、よく見られる草花の楽しみ方と言えるでしょう。

    寄せ植えにぴったりな「ホーローキャニスター」を使って。

    今回は「小さな寄せ植えにちょうどいい!」と亀井さんも太鼓判の、ホーローキャニスターを使って寄せ植えを作ってみる事にしました。ホーローのキャニスターは1個で販売しているタイプから、上記商品のように大・中・小がセットになったタイプまでございます。今回はこの大中小セットの「大キャニスター」を使って、寄せ植えにチャレンジする事にします。

    「今回はアンティーク感のある寄せ植えを作ってみましょう」

    直径約13cmの「大キャニスター」、おうちやキッチンで使うときはコーヒー豆を入れたり、細々した物を収納できる程よい大きさです。大キャニスターに寄せ植えをするなら、ポットの植物3つがジャストサイズ。

    「ホーローの懐かしくて可愛らしい雰囲気に合わせて、ちょっとアンティーク感のある組み合わせで行ってみましょう。紫色のお花はペチュニア トパーズブルーという品種で、パウダリーな小粒のリーフはウェストリンギア スモーキーホワイト、ひょろひょろ愛嬌のあるのはジャスミン ミルキーウェイです」

    ジャスミン ミルキーウェイ

    まずはしっかり根っこをほぐします。

    園芸店で販売されている花苗は、ビニール製の柔らかいポットに入れられています。まずはそのポットから苗を優しく取り出して、土と根っこが絡まった状態をほぐします。かたまりの半分程度、根っこの下半分に絡まった土を落として、根を露出してあげます。手袋で行っても良いですが「根かき棒」と呼ばれる専用器具なら簡単にほぐすことが可能です。

    ペチュニア トパーズブルー

    余分な根や葉を取り除きます

    ポットの中で根がはびこってしまっていたり、余分な芽や枯れた葉などがあったら、ちぎって取り除いてあげます。

    根かきの終わった苗

    こんな風にふんわりほぐれたら、いい状態。残りの苗もすべて根かきをしたら、次は植え替える鉢を準備してゆきましょう。

    固いものでカンカンと叩いて塗装をはがします

    「専用の鉢じゃなくても、水抜き穴を開ければ使えますよ」

    寄せ植えの鉢というと、赤褐色の素焼きの鉢や陶器のプランターといった大きい鉢が思い浮かびます。でも実は、水が抜ける穴さえあればホーローの器などでも代用できるのだとか。

    「たしかに専用の鉢は水はけや通気性もよくて、便利です。でもうちではあえてホーローのキャニスターやバケツなんかの底に穴を開けて、鉢として使う事もありますよ。鉢と植物の組み合わせも楽しめますし、お客様のなかにはこの鉢に合う寄せ植えがしたい!と鉢を持って来られる方もいらっしゃいますね」

    たしかに、ホーローのアイテムのさりげない雰囲気は、Chels Greenさんの選ぶグリーンにぴったり。ハンマーの先端など固くて尖ったもので叩いてゆくと、ホーローの表面の塗装が剥げて小さいヒビが入ってゆきます。

    ホーローは固い金属なので、手元には十分気をつけて行いましょう

    「電動ドリルで穴を開けます。直径1.5cm以上あるとベター」

    塗装が剥げてヒビの入った部分に、電動ドリルで穴を開けてゆきます。水やりの時に余分な水が流れて行ったり、通気性を保つための穴なので、直径1.5cm以上はあるとよいでしょう。ひとつの穴があまり大きすぎると土まで流れてしまうので、もし大きい容器を使用する場合には複数個の穴を開けましょう。

    「苗を植え付けるための、土の準備をします」

    水抜き穴の上には、土が流れないための鉢底ネットを敷いて…
    通気性や水はけを良くする鉢底石も敷き詰めます。

    「土入れ」と呼ばれる専用スコップで

    「園芸用の土を八分目ほどに入れてゆきます」

    鉢底石が入ったら、園芸用の土を優しくかぶせてゆきます。

    「園芸土と言っても色々種類があるんですが、慣れないうちは培養土と呼ばれるいろいろな土がブレンドされたものがおすすめです。お花用、鉢植え用などの種類で、極端に安すぎないものを選ぶのがいいですよ」

    ペチュニア トパーズブルー 小さくて複雑な花弁をしています

    さあ、主役のお花を植えましょう。

    土がポットに入ったら、いよいよ苗を植え付けます。まずは主軸となるお花、今回であればペチュニアを最初に植えてゆきます。指で土にスペースを開けて、茎の根本部分を持ち、土の中に埋めました。

    「ウォータースペースを空けながら、苗を植えます」

    鉢植えで大切なのが、水の溜まる場所=ウォータースペースをつくって植え付ける事です。鉢に目一杯まで土が入っていたり、内部のフチぎりぎりまで植物が植えられていると、水やりをした時に土に水が染み込まず溢れてしまいます。フチより指一本分ぐらい内側に植える事を意識して、表面を慣らしましょう。

    リーフ系は控えめなウェストリンギア スモーキーホワイト、ジャスミン ミルキーウェイ

    主役のお花の次は、リーフたち。残りの苗も、バランスを見ながら植え付けて行って、、

    仕上げに土を追加して、棒で表面を固めます

    最後に苗どうしの隙間を埋めるように土をかぶせ入れて、棒などで表面を押し、ソフトに固めます。このときもウォータースペースを意識して、土の高さはフチより1cm以上低くなるようにしましょう。

    「完成です!」

    あっという間に完成です。苗をほぐし初めてから、およそ15分程度。3つの小さな苗が、キャニスターにすっぽりと収まりました。

    キャニスター 大(ホーローキャニスター3個セットのうちの大サイズ)

    「清潔さと、懐かしさを感じさせるけぶった質感」

    主軸にしたペチュニア トパーズブルーの小作りな紫色と、下方向に粒々と葉を伸ばすウェストリンギア、左右上下にひょろひょろと遊ぶようなジャスミン。全体的に霞がかったようにパウダリーな草花を集めたので、白いホーローと合わさって清潔感たっぷりにまとまっています。
    「草花には顔があります。正面というか、その植物が一番良く見える角度ですね。寄せ植えをするときも正面を意識して、それぞれの草花が一番綺麗に見える角度を揃えてあげると華やかです。飾った時に、正面から見ればビシッと決まってて、斜めから見ればラフな表情に見える。そうやって眺める楽しみが生まれますよ」

    一年草の場合、最長で半年ほど楽しむことができます

    水やりのペースや量は、植え付けた植物に適したタイミングで。土が飛んでしまったり根が露出してしまわないように、優しい水圧にして、鉢のフチから植物の根元に流し入れます。

    上手にお世話ができた場合、一年草なら最長半年ほどは元気な状態を見せてくれます。その後、それぞれの植物の寿命のタイミングで枯れてゆきますので、違うものに植え替えをします。切り花より寿命は長いけれど、樹木や多年草と違いシーズンごとに枯れてゆく。その変化してゆく姿も、寄せ植えの魅力かもしれません。

    他にも、店内のあちこちにグリーンがたくさん。

    Chels Greenさんの植物は、axcis nalfやAXCIS CLASSICの店内あちらこちらに並んでいます。この日は、ガラスベースで水耕栽培されるサボテンを発見。ひとひねりある植物や飾り方のアイデアは、わがやにも取り入れたくなること請け合いです。

    グローブ、スコップ等のガーデングッズも販売しています

    お庭で育てる草花から、室内でも楽しめる観葉植物まで、たくさんのグリーンがひしめきあうChels Greenさん。ステイホームをきっかけにお庭作りやベランダ緑化をはじめたという方にも、育てたい!と思える種類のグリーンがきっと見つかるはずです。寄せ植えにチャレンジする際には、ぜひ皆さんならではのアイデアで鉢や植物を選んでみてくださいね。

    - SHOP案内 -

    ・Chels Green(チェルズグリーン)
    〒700-0951 岡山県岡山市北区田中624−1
    ※axcis nalf玄関前にショップがあります
    TEL:086-250-8761
    instagram: @chels_green8

    ・axcis nalf(アクシスナーフ)
    TEL:086-250-0878

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