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FEATUREひと手間と、その先。

岡山県総社市のデザインハウスBROOK

INTERIOR

#95

アンティークを新築のお家に取り入れるには?

新しい物には無いデザインや、年月を経た事で出る味わい。アンティークやヴィンテージといった名前で呼ばれている家具は何十年も前にどこかの国で作られ、誰かの家で歴史を重ね日本までやって来ました。そんなアンティークの家具ですが、しばしば話題になるのが日本の住宅に合わせる難しさです。特に新築の場合には、内装や床材などが真新しくて古いモノが浮いてしまうんじゃないか?という懸念を持たれる方も多くいらっしゃいます。今回は家づくりにアンティークを取り入れられている株式会社BROOK・一級建築士の入部様にお話を伺って、アンティークを新築に取り入れるコツを教えていただきました。

2022.01.21 by AXCIS ONLINE

  1. パイン材のアンティークチェスト(AXCIS CLASSICにて購入)

    「好きなもの」は何ですか?

    昔からずっと好きなもの。有名じゃないけど好きなもの。そんな自分だけの「好きなもの」が、皆様にもあるのではないでしょうか。アクセサリーや食器、カメラ、ぬいぐるみ、ミュージシャン、映画、etc、etc。人によって愛着を持つものは実に様々で、もしかしすると世の中には人の数よりも多く「誰かの好きなもの」が存在しているかもしれません。

    Iron Shelf シリーズに古材の棚板を合わせて

    古いものが好き。その想いを実現するために

    今回取材をさせて頂いたのは、「古着など古いものが大好き」というファミリーが建てられたお家です。

    洋服が大好き。外国の古いものも大好き。お気に入りの古着屋さんみたいに、楽しい雰囲気の家が作りたい!と願われていた施主さまご夫婦が選ばれたのは、新築のお家にアンティークの家具や照明をセレクトした住まいでした。

    小さな学校椅子とラグ

    イギリス製ヴィンテージキャビネット(AXCIS CLASSICにて購入)

    古いものと新しいものを組み合わせて。

    お家にお邪魔して最初に目に入ったのは、イギリスで1960年代頃に製造されたチーク材のキャビネット。リビングの窓際に置かれ、テレビを置いたり日用品の収納棚として使われるご予定だとか。BROOKで設計を担当されている入部さんに、アイテム選びのエピソードを尋ねました。

    「最初ここには造作のカウンターを作ろうと思って設計していたんです。でも施主さんとAXCIS CLASSICに行った時、このキャビネットを見つけてひとめぼれ!計画を変更し、このキャビネットを中心にリビングを計画しました。このソファは現行のものですが、チェック生地が懐かしい雰囲気でキャビネットにぴったりでしょう。」

    ダイニングにはアーコールのチェア(AXCIS CLASSICにて購入)

    ダイニングもMixスタイル。

    「ダイニングもテーブルは現行品、椅子はアンティークのアーコールチェアという組み合わせです。アーコールチェアは佇まいの美しさと座り心地の良さが格別で、施主さんと色々なチェアを座り比べて決めました。

    サイズなどの関係でテーブルは現行品になったのですが、チェアに合うよう様々なメーカーの物と比較して、ピッタリの一点を見つけ出しました。」

    照明やハウスパーツ選びで、雰囲気よく。

    存在感が強い家具たちに合わせて、照明やハウスパーツ類も経年変化が楽しめる素材を選ばれていました。キッチン照明はダウンライトとペンダントライトを組み合わせて、使いやすく。真鍮ソケットの灯具はあえてシェードを付けず裸電球のスタイルにされていました。

    真鍮パーツ、アイアンパーツをバランス良く選ぶ。

    キッチン背面、淡いグリーンの造作カップボードには真鍮のハンドルが。真鍮のパーツを使うとスタイリッシュだったり格式高い印象になる事が多いのですが、ここでは古き良き時代を彷彿とさせる仕上がりになっていました。家全体の内装や合わせるカラーによって、素材の表情も変わります。

    スライスレンガや足場板を組み合わせた、キッチン前の壁

    住みやすさに関わる「機能性」について。

    アットホームで懐かしくて、居心地のいいお家。けれどあちこちに便利な収納や最新機能の付いた家電などもあって、便利な住まいである事にも気付きました。

    「ちかごろ家作りの相談でよくお聞きするのが"高性能"や"高機能"といったキーワードなんです。単に見た目のいい家というだけでなく、年間通してすごしやすい気温を保てる事や省エネ性、家事時短といった要望が以前より増えて来ていますね。

    高断熱や高気密などの性能に優れた住宅は、住みやすいだけでなく、住宅ローンを組む時の税制や補助金等でも優遇されているんです。太陽の光や風といった自然に存在するエネルギーを上手に利用して、限られた資源を効率よく使う。人にも環境にも優しいこういった考えは、もう住宅業界でも当たり前となって来ています。」

    リビングダイニングの天井には化粧梁。ライティングレールを設置して多灯分散照明にしています。

    照明も大きく関係します。

    「高性能住宅においては、照明も重要なポイントです。ペンダントライトやダウンライト、間接照明などの複数の照明を組み合わせる"多灯分散"って、必要な時に必要な場所をピンポイントで照らす事ができますよね?これは低い電力で効率よく暮らすことに繋がるので、省エネ性能が高いと見なされるんです。」

    ※税制度等の情報は2022年1月現在の情報となります。

    海外の古いステンドグラス製ペンダントライト

    機能性と愛着、どちらも大切に。

    以前よりも注目度が高まっている住宅の性能部分。入部さんは、そういった機能的な部分と愛着、そのどちらもが家作りには大切なのだと言います。

    「省エネルギーや高機能といったハード=外側の部分と、インテリアなどのソフト= 内側の部分、両方を大切にしたいと思ってます。体の健康と同じだけ、心の健康も大事。ムダだと言われそうな事であっても、住む人が幸せに生きるために必要な事ってたくさんありますからね。」

    ベランダデッキに取り付けた鉄柵。これも古いものを利用して作られていました。

    「アンティークを取り入れたい時、住宅会社にはどうやって伝えたらいいのでしょう?」

    新しい技術を取り入れた暮らしやすい住宅に、味わいのあるアンティーク家具。いいとこどりのそんなお家って、実現するのはちょっと難しそうな気もしてしまいます。家づくりの時に住宅会社さんに上手く伝える方法はあるのでしょうか?

    自分たちの価値観は、最初からまるごと伝えてみる。

    「新築のお家なら最新の設備や家具、というのが定番ですから、最初からアンティーク家具を使いたい!こだわりのパーツやスイッチを使いたい!という方はまだまだ少数派ではあります。

    住宅会社を選ぶ時点でアンティーク等に理解ある会社を選ぶのが一番良いですが、色々な事情でテイストが違う会社さんに依頼する事になっても自分たちが好きなものや価値観をはじめから丸ごと伝えてみてください。

    家作りはたくさんの人間が関わるから、それぞれの住宅会社が決めた"工事が進みやすい定番コース"みたいなものがある事が多いんです。でも、少しの工夫で希望通りの事が実現できる可能性もあります。アンティーク家具もそのひとつだと思います。」

    ちょっとした注意点も!

    アンティークや古いものを新築住宅に使いたい場合には、ちょっとした注意点もあるそうです。

    「間取りが全部決まってから家具を考えようという方もいらっしゃるのですが、アンティーク家具はサイズが大きいので間取りに工夫が必要だったり、広い間口でないと搬入できないケースもあるんです。設計が進んだ状態で希望のものが使えない!というのはお互いにショックが大きいので、こだわりのあるものほど早め早めに。

    私の場合は、施主さんと家具店や設備のショールームに行って一緒に選んでいます。建物さえできたらもう終了というのではなく、住む方にどう暮らしてもらうかまで考えるが私たちの仕事だと思っています。」

    幸福度の高い家作りのために

    おしゃれな家、高性能の家、便利な家。いろいろな家が存在しますが、BROOKさんが目指しているのは「幸福度の高い家」なのだそうです。住む人によって何が好きで幸せと思うかは違うから、ひとりひとりの暮らしを考える。アンティーク家具やトグルスイッチといった一癖あるアイテムだって、よりよい暮らしに繋がるならどんどん取り入れてゆきます。
    毎日は家事や仕事の繰り返し。ともすればモノという管理が必要な存在は、邪魔者扱いをされる事だってあります。

    けれど、お気に入りの椅子に腰掛けたり、服に袖を通す瞬間に湧いてくる喜びは生活に彩りを与えてくれるもの。もしも皆さんがアンティークや古いものを好きな方であるのなら、家作りをする時には是非この記事を思い出してくださいね。そして何かの参考にしていただければ、幸いです。

    <取材協力>
    株式会社BROOK(ブルック)
    総社市・倉敷市・岡山市を中心に注文住宅・リノベーションを手がける。「暮らしを楽しむ」をテーマに、デザイン性と快適性を備えたカフェのような住まいを作っています。
    〒719-1131
    岡山県総社市中央6丁目9-103
    フローレスビル1F東
    TEL:0866-92-3800
    FAX:0866-92-3900
    https://www.dhbrook.com/
    Instagram:@design_house_brook

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