アクシスではインテリア雑貨の企画製造とともに、岡山市にある実店舗「axcis nalf」「AXCIS CLASSIC」の運営も行っています。アンティーク家具の販売を行っているのは、2階建ての広いフロアに家具や照明・ハウスパーツがずらり並ぶ「AXCIS CLASSIC」にて。現行の家具や雑貨と合わせたインテリアスタイリングを展開しているため、実際に住宅や店舗で使ったらどんな風に見えるのだろう?というイメージが湧いてきます。
FEATUREひと手間と、その先。
ANTIQUE
わが家にもひとつ。アンティークの家具を取り入れてみませんか?
傷、染み、日に焼けた木肌。ひとつずつ異なる表情が味の、アンティーク家具たち。何十年も前に遠くの国で作られ、年月を経てはるばる日本までやって来たアンティークの家具は、新品には無いえも言われぬ空気感をまとっています。一点ものならではの魅力にあふれる「アンティーク」、もしわが家に取り入れるならどんなアイテムが良いのでしょうか?
2021.03.26 by AXCISONLINE
アクシスで販売しているアンティークは、年に数回イギリスからコンテナで直輸入をしています。はるばるイギリスで買い付けられ、船に乗り海を越えやって来る家具たち。入荷時には「STORAGE OPEN DAY」と銘打って、普段は一般公開していない倉庫を開いて直接アンティークを購入できるイベントを開催しています。倉庫いっぱいに並んだ家具たちは、圧巻の一言。
日本の住まいでも使いやすいもの
アクシスで販売をしているアンティーク家具は、アーコール社やG-PLAN社といった知名度のある家具メーカーのものを中心に、無名だけれどデザインに優れたものも多数セレクトしています。特に意識しているのは、日本の住宅でも使いやすいサイズや形。現行の家具や雑貨と一緒に使っても違和感のないアイテムを選ぶ事ができます。
古いモノと新しいモノが並ぶAXCIS CLASSICにて。
いつもAXCIS CLASSICの店頭でアンティークや家具について熱心に話をしているのは、高畑店長です。実際に自宅でアンティークのテーブルやチェアを愛用している高畑店長も、ある日一脚のチェアを購入した所からアンティークの魅力にハマって行ったのだとか。
「アクシスで取り扱っているアンティーク家具は1960〜1980年代ごろのものがメインです。今と違って効率至上主義じゃない時代の家具は、木材の使い方や製法もすごく贅沢で、何十年経っても使い続けられるぐらい丈夫にも出来てるんです。」
「はじめてアンティーク家具を買うなら、何がおすすめですか?」
そんな高畑店長に、はじめてアンティークの家具を買うなら何がおすすめかを質問してみました。
「やっぱり最初はチェアがいいんじゃないかなぁ」
「まずはチェアから取り入れてみませんか」
「これはイギリスの家具メーカー、Ercol(アーコール)社のチェアです。それぞれゴールドスミス、クエーカー、フープバックといった名称で呼ばれていて、背面のカーブや角度などが微妙に異なります。イギリスの伝統的な椅子である"ウィンザーチェア"の形を基に工業生産されたアーコール社のチェアは、座り心地が良くて値段も手頃で、そしてなによりデザインが整っている。重厚すぎないので日本の住宅にもよく合うんです。」
一言でアンティークと言っても定義はさまざま。製造から100年以上経過したものの事を指すこともあれば、数十年前のものでもアンティークと呼ぶ事もあります。アーコール社はイタリア人ルシアン=アーコラーニが1920年代にイギリスで創業した会社で、多く出回っているのは1960年代以降に製造されたものになります。
ウィンザーチェアの形自体は古くからイギリスの伝統デザインとして存在しましたが、その優雅な姿形に北欧モダンデザインを掛け合わせたのがアーコール社の先進性でした。木材を高温で加工して曲げる"曲げ木"加工や、ビスを使わずに接着剤や楔(くさび)だけで組み立てる技術は、耐久性も抜群です。
「よくお客様に聞かれるのが、アンティークのチェア、木のチェアって座り心地はどうなんですか?って事なんです。座面がクッションになっているチェアも多いですからね。けどアーコールのチェアなんかはレストランでも使われているぐらい座り心地が良くて、コース料理が出て2時間座っててもしんどくならないんですよ。同じアンティークでもチャーチチェア(※教会で使われていた簡素な椅子)だと座面が狭いし背もたれも直角で、長時間座るとしんどい時もある。座り心地ってそのものが新しいかとか、材質が何で出来ているかとかだけじゃなくて、トータルのバランスで決まって来るんだなと感じますね。」
「私の家にも合うのでしょうか?」
アンティークチェアへの興味が高まって来たところで、ふと思ったのが果たしてわが家に置いても似合うのかな、という疑問。確かにお店で見ているとかっこいいけれど、家で他の家具と合わせたら浮いてしまわないでしょうか?
「色、デザインをよく吟味しましょう」
「新築やリノベーションなどイチから家づくりをするケースを除けば、現在すでに住んでいる部屋と家具に合わせるのがほとんどですよね。まずは家具や床に使われている木材の色に合わせて、こげ茶系か、赤茶系か、ナチュラル系かを選んでみましょう。もちろんあえて違う系統の色のものを選んでmixスタイルにするのもいいですね。アンティークであってもアーコールのようにシンプルでデザインのよい家具であれば、現行の家具や築浅の住宅でも馴染んでくれますよ。」
アンティークチェアの魅力は、1脚ずつ揃えられる点にもあります。たとえば4人掛けのテーブルに4脚それぞれ違うチェアを並べても、使い込んだ風合いが自然とその場の空気感をつないでくれます。家族それぞれが好きなチェアを選んだり、気に入ったものを見つけるたびに1脚ずつ揃えて行くのも素敵かもしれません。
「テーブルのおすすめはありますか?」
チェアの話を聞けば、次に気になって来るのはテーブルの事です。チェアより大型で、もうひとつ上級者向け感のあるアンティークテーブル。おすすめのメーカーや注目のスタイルはあるのでしょうか。
「フォトジェニックな丸テーブルの人気が高まっています」
「最近特に要望が多いのが、丸型のダイニングテーブルですね。広い空間にこのテーブルを配置して、上にペンダントライトを吊るすコーディネートが人気です。長方形テーブルよりお部屋が柔らかい印象になりますし、雑誌やSNSで見かけて興味を持たれる方も多いみたいで。G-PLAN社のがっしりした丸テーブルや、アーコール社の華奢なバタフライ型丸テーブルは特に人気です。」
テーブルとチェアの高さについて
アンティークに限らず、海外製のテーブルとチェアは日本製のものより若干高めに作られています。日本のダイニングテーブルが平均約70〜72cm・チェアが約42〜43cmだとしたら、海外製の物はテーブル約75〜80cm・チェア約45cm。そのため海外製テーブルに日本製チェアを組み合わせると、テーブルの方が高くなり食事をするのに不便を感じてしまいます。チェアにパッドなどを敷いて調節するか、テーブル脚をカットする、またはテーブルに合うよう同じく海外製のチェアを組み合わせるのがおすすめです。
アンティークチェアやテーブルを買う時の、注意点
アンティークの家具を購入する場合は、傷みの度合いをよく確認すると同時に、サイズにも注意しておきましょう。たとえば日本製の家具だと脚を取り外せる物や組み立て式の物もありますが、海外製アンティークの家具は脚が固定されて外せない物も多くあります。自宅に運び込む際にドアや廊下で詰まってしまって搬入できなかったケースもあるため、大型家具の場合は、販売店のスタッフと搬入経路を確認して購入しましょう。
今より手間と時間を掛けて作られていた時代の、アンティーク家具。形が美しいからこそ、たとえば使ってゆく中で壊れて本来の役割が果たせなくなっても、ディスプレイアイテムとして活用する事も可能です。
傷や染みなど、新品の現行家具だったら「不良品」として扱われてしまうような、アンティークの家具。けれどそんな傷や染みだって、その家具がすごしてきた時間を物語るもののひとつで、長い時間と距離を経て今ここにやって来たストーリーを想像させてくれます。
新しいものには無い、オンリーワンの魅力に溢れたアンティークを迎えたら。おおらかで懐の深い雰囲気が、きっとわが家にもいい空気をもたらしてくれる気がしました。
【AXCIS CLASSIC 店舗情報】※アンティーク窓口はこちら
〒700-0951 岡山市北区田中134-105
TEL:086-250-0890
FAX:086-250-0955
E-mail: classic@axcis-inc.com
Instagram:@axcis_classic
アンティーク専門Insagram:@axcis_classic_antiques
OPEN:11:00 〜 18:00(平日)
10:00 〜 19:00(土日祝)
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【axcis nalf 店舗情報】
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