雑誌をめくったり、SNSを眺めていると目に入ってくる素敵な住宅や暮らしぶり。「いつかはこんなお家に住みたいな〜」と夢を見つつも、どうにも現実味がありません。漠然とした理想の住まい像はあるけれど、実際どうやってそれを実現するのか分からない。そんな状況の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
FEATUREひと手間と、その先。
HOME&LIFE
コミュニケーションで見つける、理想のわが家(Design House BROOK様)
岡山県総社市に事務所を構えるDesgin House BROOKさま。海外のお家のように本格的な素材やデザインを取り入れつつ、性能や暮らしやすさにこだわった住宅を作りをされています。今回はBROOKさまのショールームも兼ねた新事務所をお訪ねして、一級建築士の入部さんに「理想の家作り」についてお話を聞かせていただきました。
2024.11.29 by AXCISONLINE
理想の家、理想の暮らし。
自分を預けられる場所
そもそも家とは一体どんな場所なのでしょうか?
ただ寝て起きるだけの場所ならば、清潔で整理整頓されていれば何の不足もありません。たまに旅行に出かけると何にもないホテルの部屋が心地よく、物が少ないミニマリスト的生活に憧れる事もあります。
しかし、身軽で効率が良いだけの空間にはどこか心許なさを感じるのもまた事実…。特に家族ができたり年齢を重ねる毎に、家という場所には自分をまるごと預けられる安心感やバックグラウンドがあって欲しいと願うようになって来ました。
Design House BROOKさまについて
何からスタートすべきか分からない家作りについて、まずは専門家の方にお話を聞いてみることにしました。お訪ねしたのは以前「かわいい、そして住みやすい。デザインと暮らしやすさを両立する住まいって?」等の記事でも取材をさせていただいたDesign House BROOKさま。岡山県にて真摯な家作りをされている住宅会社です。
総社市の新しいオフィスを訪問しました。
総社市・倉敷市・岡山市を中心に注文住宅やリノベーションを手がけるBROOKさまは、デザインと性能を両立させた家づくりを行われています。2024年に移転された新事務所は、実際にBROOKさまの住宅で採用されている照明やカーテン、水回りなどを兼ね備えたショールーム的空間。カウンターキッチンの前にはアンティークのテーブルやチェアが並んでいて、実際の住居を彷彿とさせるスペースになっています。
チェアに腰掛け、ゆったりとくつろぎながら、BROOKさまが手がける住宅を設計されている入部(いりべ)さんにお話を伺います。
「家づくりって、一体何からスタートすれば良いのでしょうか?」
ー 自分の家が欲しい、と思った時、まずどんな事から始めれば良いのでしょうか?
「そうですね、今は色々な所から情報を集めやすい時代になっているので、Instagramやpinterestや各住宅会社の完成見学会など様々な入り口があると思うんです。色々な情報があって便利な反面、迷ってしまう事も多いのですよね。私がおすすめしているのはまずご家族で”今後どんな生活がしたいんだろう”と会話をする事です。意外と家族ってそういった改まった会話をする機会が無かったりするので、家づくりをきっかけに”人生において何を大切にしたいのか”というお話をしてみてもいいんじゃないかなと思います。」(入部さん)
実際にどんな暮らしがしたいか、話をしたり、出かけたり…。
「それから、ご夫婦やご家族で一緒に色々なお店に出掛けて会話をするのもおすすめです。お店に並べられたアイテムを一緒に見ながらこんなものがいいな、こんな生活の様子は好きだなっていう会話をしながら感覚を合わせていったり。実際に体験してみると自分たちが良いと思うものがアンティークな空間なのか、シンプルでモダンなテイストなのか、はたまた古民家暮らしのような雰囲気なのかがはっきりとして来るでしょう。”家”と言うよりも、暮らしのイメージをすり合わせる所からスタートすると後からブレない気がしますね。」(入部さん)
「最近の家づくりにおけるトレンドは?」
ー 最近の住宅や家作りにおけるトレンドはありますか?また、BROOKさまでも取り入れている事はありますか?
「社会全体のトレンドで言うとCO2削減です。断熱性や気密性を高めた高性能な建物を作る事で、暖房や冷房のエネルギーロスを抑えて、二酸化炭素排出量を低くして持続可能な社会を作ることが住宅業界にも求められています。
たとえばBROOKの家作りではリビングに吹き抜けを設けることが多いのですが、これまで一般的なイメージでは”吹き抜け=寒い”と思われていたと思うんです。けど住宅性能を高めると建物内に温度差が生じにくくなって、吹き抜けがある事でかえって空調効率が良くなり、冬は暖かく夏は涼しいお家が出来上がります。寒くない家ではヒートショック症候群の発生確率も低下しますし、長く健康で住み続けられる家を作るのが業界全体のテーマになっていますね。」
高性能かつ普遍的な家づくり。
「私達なりのトレンドで言えば、本物を使うという事ですかね。床には無垢の木材、壁には珪藻土を使ったりして、なるべく人に近い場所は自然素材にしたいなと思っています。
注文住宅というのはゼロから自分たちで作り上げる住まいなので、せっかくなら普遍的で寿命の長い場所の方が良いですよね。インテリアにも流行り廃りがあってその時々で好きなテイストも移り変わると思うのですが、建物自体はなるべくシンプルに作り、家具やカーテン、照明、雑貨などで今の気分を取り入れる事をおすすめしています。」(入部さん)
「家づくりの際に活躍するアクシスのアイテムはありますか?」
ー 入部さんがお家を設計される際によく採用していただくアクシスのアイテムがあれば教えてください。
「一番よく使っていて大好きなのは、AXCIS STORAGEで販売されているアンティークの家具たちです!広い倉庫の中に沢山のアンティークが並んでいてその中からテーブルやチェアを選ぶのですが、施主さんと一緒にわくわくしながら探し回るのが楽しいんです。設計段階で”この場所にはこんなテーブルを置いて〜”と考えてはいるのですが、良い家具と出会ってしまったら、その家具のサイズに合わせて照明やコンセントの位置などを変更する事もあります。そんな偶然性も含め一期一会の出会いが良いですね。」(入部さん)
「他にも、照明やハウスパーツ、食器などのアイテムもたくさん使わせていただいています。ちょっとしたアイテムなんですけど、真鍮のフックとかトイレットペーパーホルダーとか、見た時に可愛い!とテンションを上げてくれる物って素敵ですよね。」(入部さん)
「家づくりをする上で大事にしている考え方はありますか?」
ー お家を作る上で大事にしている考え方を教えていただけますか?
「建築ってアートでもあるんですけど、命を守る物でもあります。だからきちっと真面目に色々な事を複合的に考える、今の事だけを見ずに先々の想定をする。たとえば5年後、10年後、30年後に自分達がどうなっているだろうかと考えたら、必ず今見えている物とは違う物が見えて来るはずなんです。
家というのは完成して終わりというわけじゃなくて、ずっと暮らし続けてゆく場所ですからね。設計者も施主さんも皆でコミュニケーションを取って、未来に思いを馳せることを大事にしています。」(入部さん)
対話を重ね、未来の姿に想いを馳せる
「家を作る事、特に自由設計で注文住宅を作るというのは楽しくもありますが、労力も必要です。間取りや設備など全て自分たちで決められる反面、選択や判断の連続なので、パワーを注げる状況じゃないと負担に感じる事も多いと思います。
私は暮らしにまつわる様々な事を考えたり、生活から得た経験を設計に落とし込むのが好きなので、しっかりと対話を重ねてプラン提案をしようと考えています。最終的に皆がちゃんとハッピーになるお家を作りたいですね。」(入部さん)
住み始めてからがスタートだから。
入部さんが何度も繰り返し仰っていたのが、「家はできてからが始まり」「住み始めてからが本当のスタートだから」という言葉でした。ご自身も働きながら育児や家事をこなした経験があるため、日々の生活や人生全体を思い描いた家作りが大切だと心から思われているそうです。
まずは理想の暮らし方について思う存分イメージを広げて、その後に実際の住居作りに落とし込んでゆく。そのために身近な家族としっかり会話を重ねて、信頼できる設計士や会社を見つける。入部さんが教えてくれた”理想の家作り”についてのステップは、今後の人生について向き合う機会を与えてくれるヒントのようでした。
アクシスの公式YouTubeチャンネルでは、今回のインタビューの元になった対談動画を公開中です。AXCIS CLASSICのセールスマネージャーである高畑がインタビュワーとなり、記事だけではお伝しきれない入部さんの素敵なお人柄が伝わるようなお話を聞き出しています。
さいごに。
総社市中心部に程近いBROOKさまの事務所では、実際に家作りで採用されているキッチン・ダイニング・洗面所・お手洗いなどの設備が揃っており、体感しながらの打ち合わせを行う事ができます。今回の記事を読んで気になった方は、ぜひ一度ご連絡をしてみてくださいね。
〒719-1131 岡山県総社市中央1丁目6-18
TEL:0866-92-3800
FAX:0866-92-3900
https://www.dhbrook.com/
Instagram:@design_house_brook
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