今回伺ったのは、過去のFEATURE記事『うちにも付けられる?おしゃれ度抜群の「丸型スイッチ」』にてアクシスの丸型スイッチを設置途中だったお家です。取材当時は工事中だったお家が完成したとの知らせを受け、「実際の様子を見せて下さい!」とお邪魔させて頂きました。
FEATUREひと手間と、その先。
HOME&LIFE
かわいい、そして住みやすい。デザインと暮らしやすさを両立する住まいって?(株式会社BROOK様編)
かわいい。かっこいい。ナチュラル。スタイリッシュ。住まいを表す言葉はたくさんあって、百軒あれば百通りあるほど様々な住まいが存在しています。「見た目が素敵で暮らしやすい家に住みたい」という、そんな理想のお家作りの秘訣はあるのでしょうか? 今回は岡山の住宅会社Design House BROOKさまにお話を伺って、デザイン性と暮らしやすさを両立する家作りについて教えて頂きました。
2021.09.03 by AXCISONLINE
株式会社BROOKの入部亜佐子さんにお話を伺います。
総社市に事務所を置かれている株式会社BROOKさまは、自然素材を生かした家作りを得意とされている住宅会社です。一級建築士の入部亜佐子さんが設計されるお家には、デザイン性と暮らしやすさを両立する仕組みがたくさん!一見何でもないちょっとした仕様に、生活を良くしてくれる仕掛けが施されています。
玄関を開けて、お邪魔します。
玄関を開けて、お家の中へ。正面の壁で出迎えてくれたのは「陶器スイッチ ホワイト」でした。ダークブラウンの木材や塗壁のクラシカルな素材感にマッチして、玄関スペース全体が可愛らしく上品な雰囲気に仕上げられています。
天井を見上げると、フレームとガラスの組み合わせが幾何学的な「エッジングシェード」が。灯具はE26口径のタイプを合わせて、電球も少し明るめのものを選ばれています。外からおうちに入って来た瞬間、グッと世界観に引き込まれるアイテム選びをされています。
リビングに入れば、楽しげな雰囲気たっぷり!
続いてリビングへ進むと、今度はあたたかく楽しげな雰囲気たっぷりの空間が現れました。玄関とおなじ古色ブラウンの木材、アイアンの階段手すりや淡いグレーのキッチン…。たくさんの要素が混在するのに不思議とまとまりを感じる、まるで家族そのもののようなお部屋です。
「動線は絶対大切なポイントです」
「可愛いけど品が良いお家にしたいと思ったんです。」
各部屋を周りながら、入部さんのお話を聞かせて頂きます。
リビングの向こうに、何だか気になるタイルやカーテンがちらり。
「ここは洗面所です。実はさっき入って来てもらった玄関と繋がっていて、玄関→シューズクローク→洗面所お風呂→リビングと回遊できる動線になっているんです。」
「コロナの流行で帰ってすぐに手洗いやお風呂に入る習慣が出来たでしょう。こういった生活動線は絶対大事なポイントなので、おすすめの間取りです。玄関との仕切りはドアじゃなくてカーテンになっていて、手を使わなくても肩でさっとかわせるのが便利ですよ。」
ほっと一息つけるスポットも…
洗面所の中へ進むと、飾り棚に置かれたちいさなガラス瓶に目が留まりました。アイビーが何本か挿してあり、鏡の前に立つとちょうど視界に入って来ます。
進んで手洗いをしたくなる洗面所。
洗面所の正面に立つと、2種類の異なるタイルと陶器の洗面台、真鍮のタオルハンガーなどが整然と収まる様子がよく分かります。取材をしていた担当者も「こんな洗面所なら子供も大人も進んで手洗いがしたくなるだろうな〜」と納得の出来栄えでした。
「生活者」としての目線で家を作る
入部さんの手がけるお家は、一見かわいらしい雰囲気なのに思いがけず便利な仕掛けが潜んでいる事に驚きます。家作りに関してどんな事を大切にされているのでしょうか?
「見た目の良さも、家事や生活のしやすさも同じだと思っています。そこに住んで暮らす目線で家に入ってみると、やっぱり家ってあたたかい雰囲気の方がいいなとか、家事をするときにこんなものがあるといいなとか感じられるでしょう。」
「過去にゼネコンで大きな建築に関わっていた経験や、海外で暮らしていた経験、専業主婦をしていた時期の経験もすべて住宅設計に生きているような気がします。ひとりの生活者としての目線で家を考えるのが、大切にしている事かもしれませんね。」
子供に複数の居場所があり、大人は見守りながら家事をする
毎日の生活は家事・仕事・育児などなど、たくさんのタスクを同時進行しながら進んでゆきます。たとえば子供の様子を見ながら家事をするというのもよくある光景で、リビングにいる子供を横目で見守りつつ料理をするという方も多いのではないでしょうか。
こちらのお家ではキッチンからリビングが見晴らせるのはもちろんの事、キッチン横にも子ども用プレイルームがありました。子供たちにも複数の居場所が用意されていて、一人でこもりたい時には少し場所を変えて気分転換ができます。
家事が楽しくなる要素も忘れずに
「見た目の良さも、生活のしやすさも同じ」という言葉を象徴するように、キッチン周りにもたくさんの工夫がされています。洗面所でも目にした真鍮のタオルハンガーは幅広タイプをセレクトし、タオルを複数掛けられるように。特徴的な淡いブルーグレーで統一されたキッチンは、メーカーの既製品ではなくオーダーメイドで作った「造作キッチン」でした。造作キッチンはサイズや細かい仕様を使う人に合わせて設計するので、他には無いオンリーワンの設備に仕上げられます。
「造作キッチンだと、こんな工夫も可能なんです」
「こちらのお家では、奥様の身長に合わせて少し低めにキッチンの高さを揃えています」
ビルトインタイプの食洗機を引き出すと、背後の食器棚の引き出しと同じ位置に高さが揃っています。洗い終わった食器を棚にしまうとき、乾いた食器をサッと棚に移動できるという工夫は造作キッチンならでは。
小さいあかりはあちこちに。
キッチン調理台の手前には、スタディコーナー。その上には小さなブラケットライトが設置されています。
ダウンライトやブラケットライトなど、ちいさいけれど必要な場所を照らすあかりがあちこちに設置されているのも印象的でした。
「2階にもお邪魔して良いですか?」
ダイニング横にある階段。最近の流行はステップの向こう側が無いスケルトンタイプの階段ですが、こちらのお家では蹴込板があるトラディショナルな階段です。子供でも安心して登れる、気軽に家の中を行き来できる空気感があって、家全体の風通しが良く感じられました。2階は寝室や子供部屋などご家族のプライベートエリアですが、すこしお邪魔させて頂きます。
1階から2階のあいだに秘密基地のようなスキップフロアがあったり、階下に見えてくる1階フロアの姿にうきうき気分がより増します。家を1階と2階で完全に分けてしまうのではなく、一体感を感じさせるのが吹き抜けの魅力だと感じました。
寝室、個室は利便性を重視して
2階には主寝室と、子供部屋が2つ。ウォークインクローゼットやお手洗いなどもあり、装飾性は抑えながらシンプルにまとめられています。
2つある子供部屋は、それぞれ壁面の一部がアクセントカラーになっていました。淡いピンクの壁紙は、娘さんのお部屋。落ち着いたニュアンスピンクは成長してからも飽きが来ない、絶妙なカラーリングです。
2階の一角に、ひっそりと隠し小部屋のような書斎コーナーを発見。ここはご主人のワークスペースになる予定で、男性的なテイストでまとめられています。
「休みの日にどこか出掛けよう!と思わない位、居心地の良い家を作りたいんです」と語っていた入部さん。お家を見せて頂いて感じたのは、実際に暮らす中での心地よさはもちろん、目で見て感じる雰囲気も居心地の良さに大きく関係するのだという事でした。そしてそれは、家事や育児など家の中の生活をありありと想像する力や、実際の経験に根ざした提案が大切なのだとも。
今まさにお家作りの計画中という方や、いつかは持ち家が欲しいなという方も、ぜひ「居心地の良さ」という視点を家作りの条件に加えてみてはいかがでしょうか。何年経っても愛着の持てる家のヒントになるかもしれませんね。
<取材協力>
株式会社BROOK(ブルック)
総社市・倉敷市・岡山市を中心に注文住宅・リノベーションを手がける。「暮らしを楽しむ」をテーマに、デザイン性と快適性を備えたカフェのような住まいを作っています。
〒719-1131
岡山県総社市中央6丁目9-103
フローレスビル1F東
TEL:0866-92-3800
FAX:0866-92-3900
https://www.dhbrook.com/
Instagram:@design_house_brook
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