遠くに出掛ける機会が減ってから、目に入るようになったのが身近なお店や自然といったローカルスポットです。近所に美味しいお店があった事。あまり人が来ないけど良い雰囲気の公園がある事。今まで見過ごしていた色々な存在に気が付いて、その良さを再発見してゆきました。
FEATUREひと手間と、その先。
HOME&LIFE
生活そのままが絵になるように。 AXCIS,INC.シェーカーシリーズ
少し前までは、遠くの知らない場所まで出掛けて行ったり、友人知人とわいわいお店で食事をしたりなんて日々が当たり前だったのに、あっという間に世界が変化してしまいました。最初は慣れない生活に戸惑っていたけれど、馴染んで来ると地に足着けた暮らしの良さに気が付いて来ます。遠くにある特別な物より、今は手元にある生活を大事にしたい。AXCISの新しい「シェーカーシリーズ」は、そんな新しい日常をすごすための...
2020.09.11 by AXCISONLINE
「今度の休みは近所にできたパン屋さんに行きたいな」。オンライン授業やリモートワークなんて新しい生活も始まって、相変わらず平日は慌ただしく過ぎます。外国旅行はできないけれど、外国のお店にも負けない美味しい物を食べてやろう。近くのお店だけど、休日に歩いて行ってゆっくり食べるのを楽しみにあと数日を待つ事にします。
待ちに待った朝は早起きをして、店に着いたらクロワッサンとレモネード、コーヒーも一緒にオーダーして小ぶりなトレイに。クロワッサンはフォークを刺すとすぐに崩れてしまうから、動いてしまわないよう慎重に慎重に。(ぱくっとかぶりついてしまった方が早いかも!)
パンくずが散らばってしまわないように、少し身を傾けてぱくり。パターの塩気とさくさくの生地を噛み締めたら、レモネードをちびり。ちょっと前には買い物で外に出るのもおっかなびっくりだっただけに、美味しいものを楽しめるその普通さが身にしみて来ます。
滑らかに曲げた木、真鍮の鋲で留めたスワローテイル。「シェーカーボックス」の技術で作られたオーバルトレイは、ブレッドプレートとドリンク2つを載せてちょうど収まる大きさでした。片手で持っても軽く、安定して運べるプロポーション。オイル仕上げの木肌は自然なつやがあって、料理を美味しそうに引き立てています。
「シェーカーボックス」と呼ばれる丸型の木箱は、19世紀にアメリカのシェーカー教徒が道具として使った事で知られています。特徴的な薄い曲げ木や、スワロウテイルと呼ばれる端のカット、小さな金属製の鋲などの完成されたデザインは、今でも世界中の作家やメーカーが参考にして物作りをしているほど。
シェーカーボックスの魅力は、そのシンプルさ。シェーカー教徒はアメリカ郊外の農村で自給自足の生活をしていましたが、食料、生活道具、家具に至るまで自分達でコントロールできる技術で作り上げました。人間の手で、使いやすいものを、美しい形で作る。そんな信念で作られた物ゆえに「何かを入れる」「しまう」といったシンプルな用途も、一番美しい形で叶えてくれるのです。
身近な集団でつつましやかに暮らしていたシェーカー達の文化を知ると、なんだか今の私達に似ているような気がして来ます。身の回りを清潔に整える事、生活の中でやらなければいけない諸事を積極的に楽しむように行う事、遠出や外部との接触に制限はあったけれど物や情報の行き来はあった事…。実はシェーカー達が生まれた背景には中世ヨーロッパで「ペスト」が長期間流行していた事も関係しているため、さらに今の時代と共通しているかも、と思えて来るのです。
アクシスが作るシェーカーシリーズは、シェーカー教徒達のオリジナルにヒントを得て日本の生活に合うようリデザインした物です。すでに販売をしているシェーカーボックスに加えて、2020年秋冬にはメガネケース、トレイ、ミラー、ラウンドボックスなどが新たに発売されました。全アイテムに共通しているのは、ただ飾って眺める用途では無く、毎日の生活でしっかりと使える仕様や価格帯へのこだわりです。
シェーカーシリーズはアイテムにより仕様が微妙に異なり、オーバルボックスやラウンドボックスは無垢のチェリー材を薄く曲げて軽く繊細な雰囲気に、メガネケースやトレイなどは同じチェリー材でも若干厚みを持たせてあります。メガネケースやトレイは手に持つ機会も多いので、安心して使える丈夫さも兼ね備えています。
以前とは違う毎日ですが、身近な人や場所を大切にできるようになった事の大きさにふと気付く時があります。生活を愛するための習慣や道具をお守りにして、新しい日常を過ごしてゆけるように。そんなほんの少し特別な何かが皆様の暮らしにあるようにと、心より思っています。
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