真鍮は、腐食しにくく加工しやすいという特性があるため、太古から様々な分野で使用されてきました。現代ではアクセサリーやハウスパーツ、照明などにもよく使われています。真鍮は空気に触れた部分が酸化して色が変化するのですが、分かりやすい物では「5円玉」にその変化を見る事ができます。お財布の中の「5円玉」は、実は真鍮製。製造されてすぐはピカピカの金色ですが、年月を経ると黒く渋い光沢になってゆきます。他の素材だと黄ばんだり錆びたりしまうような経年変化も、真鍮ならまるでアンティークのように落ち着いた色合いに変化をしてゆきます。
FEATUREひと手間と、その先。
PARTS
年月を重ねる楽しみ。真鍮(しんちゅう)アイテムを暮らしの中に。
金色に輝いていて、手に持つとずっしり重みがある「真鍮(しんちゅう)」。アクセサリーやハウスパーツなど、私たちにとっても身近な存在です。真鍮の特徴は、何と言っても経年変化の素晴らしさ。つかいはじめの頃はピカピカとしている真鍮ですが、手に触れ年を経るごとに、渋く落ち着いた独特の色合いに変化します。
2024.05.10 by AXCISONLINE
変化するのが美しい素材
人を出迎える場所に
真鍮素材のアイテムを家で使うなら、人の手や目に触れる場所がおすすめです。その場所に漆喰や木材、石、鉄といった自然素材が使われていれば、同じように経年変化が良く現れるため相性もばっちり。エントランスや洗面所といった場所なら、来客の方にその家らしさを印象付けます。
玄関では、バッグの定位置に
ついつい忘れがちなお買い物用バッグを、玄関やリビングの端に掛けておいて。上着や帽子も一緒に掛けられるフックなら、さっと身支度完了です。
小ぶりなフックも玄関周りの壁に取り付けて、カギ掛けに。家具の端に取り付ければ、荷物掛けにもなります。付属のビスも真鍮製で、クラシカルな雰囲気満点ですね。
洗面所やお手洗い空間にも
洗面所やお手洗いなどはスペースが限られているので、ひとつひとつの物に目が向きます。特に来客の方が使う事も多い場所なので、パーツや照明にこだわって気持ちのよい空間づくりをしましょう。
手と目に触れる、スイッチ
真鍮のスイッチは直接手にふれるため、さらに風合いの変化が大きく出ます。普通のプラスチック製スイッチだと時間とともに黄ばんで劣化してゆきますが、真鍮はどんどん味のある色合いに変化します。ただのスイッチがオブジェのような装飾品へと変化してゆく、その過程が楽しみになるのです。
使いはじめはぴかぴかと輝いていたスイッチが、数年でアンティーク風に。カチリ、という押し心地も懐かしく暖かみがあります。
経年変化の様子
「真鍮プレート2スイッチ」の経年変化の様子です。最初はツヤツヤとしていた輝きが、マットな質感に変わったのがよく分かります。この味わいのある風合いをそのままお楽しみ頂くも良し、さらにお手入れをすれば程よい輝きを戻す事もできますよ。
真鍮のお手入れ方法
今回はホームセンターなどで販売されているピカールの金属みがきを使用して、経年変化をした真鍮を磨いてみる事にしました。
画面向かって左側は、使用開始から1年以上使用しているものです。商品や使い方によって変化の出方は異なりますが、おおむねこのようにマットでくすんだ色合いに変化してゆきます。
お手入れが大変そう…という方でも
そろそろ手垢や黒ずみが気になって来たかな?というタイミングで、市販の金属みがきなどを柔らかい布切れに付けて磨くだけ。磨き具合によって新品に近い輝きにも、少しだけくすみを残した状態にも調整可能です。
柔らかい布を使って、1分ほど磨いてみたところです。全体的に赤茶けてくすんでいたのが、金色に近い色味に戻りました。さらに磨けばもう少し輝きが増しますが、今回はこの状態でストップ。ほんのりアンティーク風の雰囲気を残しました。
育てる楽しさを教えてくれる真鍮
折りに触れて気にかけたり、自分で手入れができる真鍮のパーツ。好みの雰囲気に育ててゆく楽しみも味わえます。
もしかすると、今日よりも1年先の方が美しくなっているかもしれない、真鍮のアイテムたち。新品の状態が一番美しくて後は古びてしまうだけ…というのではなく、10年先、20年先と年月を重ねるのが楽しみになる存在です。新築やリフォームをお考えの方はぜひ真鍮のアイテムを取り入れて、お家とともに年月を重ねるのを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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